2020年4月の記事一覧
こんなときだからこそ伝えたいこと4
朝霞西高校の生徒の皆さんへ。4日目の手紙です。どうぞ!
学校での落第、4回。転職の回数、およそ20回。しゃべるのがヘタで、人とのつきあいもうまくない。冗談を言って、出世のチャンスを逃す。
なんだか、いろいろな失敗がありますね。でもこれ、全部、のちに総理大臣になる人たちの若い頃の話なんです。落第4回は、石橋湛山(いしばし たんざん)。しょっちゅう転職していたのは、高橋是清(たかはし これきよ)。社交的でないのがずっと悩みだったのは、浜口雄幸(はまぐち おさち)。冗談で出世のチャンスを逃したのは、吉田茂(よしだ しげる)。
そうそう、有名なアメリカのリンカーン大統領は、大統領になるまでの間、いろんな選挙に9回も落選しています。戦国時代の英雄、豊臣秀吉は、若い頃、ある侍の家で働きますが、仲間とうまくやっていけずに、クビになります。農民から天下人になった、人から好かれて出世した、あの秀吉が、ですよ。明治維新の立役者、西郷隆盛は、上司に嫌みを言って、遠くの島に送られてしまいます。
弱みのない人なんて、いません。英雄も、大統領も、総理大臣も、みんな私たちと同じように、弱点や悩みを持っているのです。では、彼らは弱点や悩みを、どうやって良い方向にもって行ったのか。簡単です。たくさん、たくさん、失敗したのです。失敗するには、チャレンジしなければなりません。チャレンジして、失敗して、反省して、またチャレンジする。そうやって弱点や悩みを、少しずつ良い方向にもっていったのです。
日本に親近感を持っていたことで知られるアメリカの大統領、セオドア・ルーズベルトは、「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ」と言っています。失敗した、ということは、間違いなく、なにかにチャレンジしたわけです。ですから、失敗は、ものすごく大切なのです。だって、チャレンジしなければ、なにも実現しないのですから。
そうはいっても、できれば失敗はしたくないですね。先ほどふれた、戦前の総理大臣・浜口雄幸(おさち)は「自分は、失敗の数はたくさんあるが、成功の例はきわめて少ない」と言っています。その浜口が自分の失敗を反省して「成功のひけつ」をのべています。成功のひけつの第一にあげているのは、「自分がやる仕事が、世の中のためになる仕事であること」としています。なぜなら、そういう仕事は、信念を強く持てるから。この信念をふくめ、8つのことをのべていますが、いちばん最後の8つ目を「もっとも大切なところ」と言っています。それは、「最後の5分間のふんばり」。もう、くたびれて一歩も前に歩けない、そんなときでも、あと一歩、前に出るのです。つかれきって、勇気が出ない。でも、「最後の5分」、その最後のところで、もう一歩だけ、前に進むのです。
失敗には、いろいろな種類があります。中でも、あと少し準備をしていれば防げた、ということが、とてもたくさん起こります。後悔をしないためにも、「最後の5分間」をふんばってみませんか。失敗は、してもいい。でも、後悔しないためにも、「最後の5分」を、やり抜きましょう。たとえば勉強なら、あと1ページ、読み進めましょう。あと1語、漢字を、単語を、覚えましょう。あと一歩、前に進めるのです。そうすれば、どんな結果であっても、きっと次につながります。
さて、明日は、いよいよ最後です。「未来を予測する最良の方法」って、なんだと思いますか?みなさん、あすまで、考えてみましょう。
おたのしみに。
こんなときだからこそ伝えたいこと3
朝霞西高校の生徒の皆さんへ。3日目の手紙です。3月12日に寄稿されているので状況が現在と異なる点もありますが、それを踏まえて読んでみてください。
いま、マスクが足りません。なぜか、トイレットペーパーやちり紙もお店からなくなっています。マスクはたしかに、足りないようです。でも、じょじょに生産が追いついてくるようですし、トイレットペーパーやちり紙はちゃんと普通に生産されて、本当は足りているらしいのです。足りなくなったのは、「トイレットペーパーがなくなる」という、ウソの情報を信じた人が、買いあさっているからです。一部の人は、買い占めたマスクやトイレットペーパーなどを定価の何倍もの高い値段で売ってもうけています。なんだか変だなぁ、と、思いませんか。
尾崎行雄という人がいました。「憲政の神様」として、有名ですね。大正時代を中心に活躍した、政治家です。その尾崎行雄のお嬢さんが、小学校で、「紀伊国屋文左衛門(きのくにや ぶんざえもん)はとても偉い」という話を聞いてきて、尾崎に話します。紀伊国屋文左衛門というのは、江戸時代、紀州(いまの和歌山県と三重県の一部)から江戸まで、みかんを運んで大もうけした人物です。当時江戸では、海が大荒れでみかんが足りずに困っていました。そこで紀伊国屋文左衛門は、荒れた海を乗り越えて紀州から江戸まで、みかんを運んだのです。尾崎行雄はお嬢さんに、こう言います。「紀伊国屋文左衛門は、ちっとも偉くありません。江戸の人が困っているのですから、みかんをタダで配ったというのなら偉いけれどもそれで金儲けするなんて、もってのほかです」尾崎は、そう言ってお嬢さんをさとしました。
また、明治時代に陸軍の医療を近代化させた軍医で赤十字社の社長もやった石黒忠悳(いしぐろ ただのり)という人は、11歳でお父さんを亡くして苦労した人です。石黒忠悳(ただのり)が12歳のとき、江戸が暴風雨にみまわれます。幼いながら彼は、「紀伊国屋文左衛門は、江戸が大火事のとき材木を買い占めて大もうけした。今回も、多くの家が暴風雨でこわれてしまうから、材木は高くて買えないけれど、釘(くぎ)を買ったらもうかるかもしれない」さっそく彼は釘を買いました。その話を聞いたお母さんは、激怒します。彼を座らせて、「昨年、お前の父上が亡くなられる直前に、その枕元でお前を立派な人間にすると私が誓ったことを忘れたのですか!」つまり彼のお母さんは、釘を買ったことは立派な人間のすることではない、と考えたのです。彼の叔父たちは、「これから釘の値が上がる、その前に釘を買って大もうけしようとしたのはたいしたものだ」、と忠悳(ただのり)をほめます。しかしお母さんは、そのことにも怒ります。「こんなことで、人にほめられて得意になっているとは、見下げたものです!」当時、お母さんの実家の2階に、お母さんと一緒に住んでいた忠悳(ただのり)少年。激怒したお母さんは、二階から彼の布団を一階に投げ捨てます。「もう、この部屋にあがることはなりません!」まだ12歳の忠悳(ただのり)少年にとって、お母さんから見捨てられたことはショックで、その晩は一睡もできませんでした。お母さんが彼を許してくれたのは、三日後。
尾崎行雄が、娘をさとし、石黒忠悳(ただのり)のお母さんが、激怒したのはなぜなのでしょうか。それは、「人が困っているときに、人を助けるのではなく、困っていることに便乗してお金もうけをしようとしたこと」それが、立派な人の行ないだとは思えなかったからですね。
紀伊国屋文左衛門は実際にこうしたことをやったのか史実では確認できません。しかし、こういう行ないが、いつの時代、どこの国でも起こっているのは事実です。そして私たちはいま、目の前で、それを体験しているのです。
1日目から触れてきましたが、自分以外の人のことを考えたら、こんな行動はできません。自分の心に問いかけて、少しでも「おかしいな」と感じたら、まずは立ち止まって考えてみましょう。そのとき、ぜひ今回の話を思い出してくださいね。
こんなときだからこそ伝えたいこと2
朝霞西高校の生徒の皆さんへ。1日目の手紙はいかがでしたか?「ウーン」と考え込んだ人もいるかと思います。 でも、むずかしい話ではないということなので、2日目の手紙も読んでみてください。
昨日は、「自分以外の人のために」という覚悟をすると恐怖や不安が後回しになる、というお話しをしました。
きょうは、「では、どうすればそんな気持ちになれるのか」ということを、お話ししたいと思います。あなたは、遊びたいですか? お金がほしい? 楽したい? 勉強しないで怠けたい? たまに意地悪な気持ちになる? はい、私もそういう気持ちがたくさんあります。でも。ほんのちょっぴりでも、身体の不自由な人を手助けしたい、ほしいものを我慢して募金に協力したい、そういう気持ち、心のどこかにありませんか?
人の心を1つの円に表すと、右半円が、善い心。優しい、心が広い、勤勉、思いやりがある。左半円が、悪い心。意地悪、心が狭い、怠ける、自己中心。人は、自分さえよければいい、という心と、他人を助けてあげたい、という心、両方持っているんです。
あなたはいま、電車の中で座っています。目の前におばあさんが立っています。あなたは、どうしたいですか?部活で疲れてるし、あしたのテストのために単語覚えなきゃいけない。すこし居眠りもしたい・・・。おや?別の声も聞こえてきます。おばあさん、なんだかつらそうだなぁ。単語なんか立ったまま覚えられるし、譲ってあげようかなぁ。こんなときは、あなたの心の中で、善い心と悪い心が、戦っているのです。あなたは席をおばあさんに譲りました。良い心が勝ちました。どうして?あなたが、自分のことより、おばあさんのことを思ったから。
日本の歴史上でも、たくさん同じことが起きています。少年が本を読みながら、たきぎを背負っている像を見たことがありますか?そう、二宮金次郎。あの像は、金次郎が、いまで言えば中学生くらいの頃だと言われています。二宮金次郎は、すごいことをやります。600以上の村々を、救うのです。中には、食べ物がまったくなくて毎日バタバタと人がたおれ、死んでいった村もありました。金次郎は、どうやって村を救ったのか。まず、村人の身体を休めさせます。次に、どう働けば豊かになるかを教えます。そして、ふだんからムダな出費をおさえ、危機に備えるようにします。働いて、稼いで、出費はおさえる。すると、お金が余ります。余ったお金を、どうするか。将来のため、子どものために貯める。これは、理解できます。それとは別に、自分の住んでいる地域のため、自分以外の人のために役立てるようすすめます。いっしょけんめい働いて稼いだのに、他人のために使う??ちょっと考えられませんね。でも、今から200年くらい前の江戸時代、村人たちは実際に、「自分以外の人のため」に余ったお金を、みんなで助け合うお金として寄付し合います。どうしてそんなことができたのか。自分以外の誰かを助ける、という方が、自分の欲望を満たすよりもより魅力的だったからです。自分は良いことをしている。その気持ち良さを、あなたも経験したことがありませんか?お年寄りに席をゆずったときに感じる、あの気持ち。あなたは善い心も、悪い心も、どちらも選択できる。忘れないでほしいのは、その選択の積み重ねが、あなたの人生になるということ。善い心の選択を積み重ねた方が良い人生になるにきまっています。二宮金次郎は、ほとんど財産を残しませんでした。でも、200年たったいまでも、こうして私たちの前にあらわれるのです。素晴らしい人生だと、思いませんか?ちなみに、「人には、善い心と悪い心のふたつがあって、それが一つの円になって人間をつくっている」と考えたのは、二宮金次郎です。
迷ったとき、自分の心に「どうしようか」とたずねてください。あなたがたずねる心が、善い方の心でありますように。
こんなときだからこそ伝えたいこと1
朝霞西高校の生徒の皆さんへ。毎日、規則正しい生活リズムを刻んでいるでしょうか?
家で過ごす皆さんに、何かホッと一息入れられないかと思い、これから5日間、作家の瀧澤中(あたる)さんの手紙(3月12日に寄稿)を紹介します。
なにを書くのか。あなたが不安なとき、あなたが勇気をほしいとき、きっと役に立つ5つのことを書きます。
なんだかわからないけど、危険が迫っているらしい。お店からモノがなくなっていて、不安。いつ、ふつうの生活にもどれるのか、わからない。恐怖や不安で気をつけることは、そのことで心がいっぱいになり、自分の大切な時間をムダにしてしまうことです。あなたが与えられた、思ってもいなかったお休み。恐怖や不安でムダにすることなく有効に使える1つ目の方法を、お教えします。
「たった2年半で、総理大臣2名と大臣7名、大学の創始者を2名つくった塾。入塾試験、なし。成績、関係なし。授業料、無料。年齢、10歳でもOK」そんな塾があったら、行ってみたいと思いませんか?ただ入塾のとき、1つだけ聞かれます。「何のために学ぶのか」、と。このとき、「成績がよくなりたい」なんて答えでは、だめなんです。塾の先生は、「成績よりも、学んだことを世の中のために実行すること、それが大事です。本を読んだり、勉強することは誰でもできる。成績を上げるのも、誰でもできる。大事なのは世の中のために、勉強したことを活かすことなのです」
なんだか、むずかしいですねぇ。でもこれ、実はすごく勉強をするきっかけになるんです。この塾には、もともと勉強のできる子もいましたが、タバコばかり吸う、どうしようもない不良少年や正規の学校では怠けてばかりの子も、たくさんいました。でも、入塾したあと、彼らは一所懸命勉強するんです。それは、「世の中のために役立ちたい」、そういう気持ちを持ったから。
もっとわかりやすく、言い換えましょう。たとえば、あなたがひまつぶしにコンビニに行くときは、べつに急がず、だらだら歩くかもしれない。でも、家族が急病で、お医者さんを呼びに行くとなったら、あなたは、だらだら歩きますか?きっと一所懸命、走るのではありませんか?だらだら歩けば、10分。一所懸命走れば、3分。これが、「自分以外の人のために役立ちたい」ということの、時間的な違いなのです。たった7分の差。でも、これが毎日だったら、どれほど大きな差になるでしょう。実は人間は、他の人のためなら、走れるのです。
塾の名前は、「松下村塾」。聞いたことがあるかもしれませんね。先生の名は、吉田松陰。吉田松陰は、わずか29歳で、刑死します。吉田松陰が松下村塾をやっていた時期は、松陰は仮釈放中だったのでいつまた牢獄につながれ、死ぬかもしれない。そういう「恐怖」の中にいました。でも彼は、恐れません。なぜなら、彼は「自分以外の人のために役立ちたい」と思っていたから。他の人のために生きる人間は、自分がどうなるか、ということは後回し。だから、不安も後回し。そして、自分のためではなく世の中のために頑張らなければいけなかったから、サボってなんかいられません。塾にいた生徒たち、不良も、貧しい家の子も、怠け者も、「なんのために勉強するのか」、を問い、「世の中のために役立ちたい」、そう考えたから、わずかな時間で大きく成長します。だって、自分のためなら、サボっても自分が損するだけだけど、世の中のためなら、サボったら、世の中が悪くなってしまいます。たとえ自分の生活のすべてでなくてもいい。そういう気持ちを、ほんの少し持つだけで、人は強く、そして勤勉になれるのです。まあそうは言っても、人間は弱いものです。どうすれば、「世の中のために役立ちたい」なんて気持ちになれるのか。明日は、そこからお話ししましょう。けっして、むずかしい話ではないんです。
免疫力を高めてコロナウイルスに打ち克とう!
生徒の皆さん、体調はいかがですか?新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「stay home」ということで、運動不足になったり、気分が滅入ったりしている人もいるのではないでしょうか。
世の中は、この感染症のために様々な活動が止まってしまっています。世界の状況を見ても、一人一人が最大限の危機感をもって感染の拡大防止のために行動を律する時です。
そこで、この間に皆さんには、新型コロナウイルスに打ち克つ免疫力を高めて欲しいと思います。ウイルスへの免疫力を高めるといっても、特別なことをする必要はありません。まず、それぞれが自分の生活環境を整えることが免疫力を高める第一歩になると考えます。
以下、国際全人医療研究所代表理事の永田勝太郎氏の話を紹介します。
外出の際にはマスクをつけ、こまめに手洗い・うがいを行うとともに、暖房で室内を温める、お風呂にゆっくり浸かるなどしてとにかく体を冷やさない、加湿器を活用して湿度を60%ほどに保つ。ウイルスは体温が下がって免疫力が落ちている時に感染しやすく、乾燥した場所で蔓延しやすいからです。また、睡眠不足は免疫力を低下させるので、毎日しっかり睡眠をとってください。睡眠時間の目安は、7~8時間です。それから、免疫力アップに欠かせないのが日々の食事。なるべく体を冷やさず、温めるものを食してください。例えば、スープや味噌汁、煮込み料理(カレー、シチュー、豚汁など)がお勧めです。醤油や納豆といった発酵食品は免疫力に関係する腸内細菌を整えてくれます。キノコ類も免疫力を高める食材です。
要は、学校があるときと同じように規則正しい生活リズムを刻むことです。そして、家での過ごし方や食事等について、ご家族とコミュニケーションをとってください。
先生方もこの臨時休業中、限られた手段ではありますが皆さんの学習をサポートしていきます。また、学校再開に向けて様々な計画の変更や対応策を検討しています。
早く生徒の皆さんが元気に活き活きと学校生活が送れるように万全の体制を整えて待っています。併せて、皆さんに直に会える日を楽しみにしています。
※ホームページの「校長室より」にできる限りメッセージを掲載していきます。
是非、訪ねてください。